東京で焼肉を食べるシチュエーションを考えると、記念日やお祝いが思い浮かびます。お誕生日はもちろん、就職祝や合格祝といった祝いの席の食事でも選ばれています。この傾向は今に始まったことではなく、数十年前から見られた傾向といえるでしょう。例えば30年以上前であってもそのような傾向が見られました。現在ほどには外食産業が賑わっていなかった時代でも、記念日やお祝いで選ばれていたのは焼肉でした。他の外食メニューと比べても確実にあらゆる機会でチョイスされていたのは間違いありません。その理由は「特別感」があるからです。記念日やお祝いの席では、普段あまり口にしないようなメニューを選びたいと思うのは当然のこと。自宅で肉を焼くのは特段珍しくはありませんでしたが、やはり自宅での食事と外食では内容が違っています。
スーパーや精肉店で肉を買って家で焼く場合は、あらゆる部位がセットになったものなど、いわゆるメジャーな内容が主流です。これらの内容は決して悪くはないのですが、無難過ぎます。希少部位は含まれませんし、価格帯も無理がないくらいになっています。一方、外食の場合は希少部位がメニューに並ぶのも珍しくありません。聞いたことのない部位が食べられるのは外食だからこそといえるでしょう。このようにして、東京の焼肉は市民権を得てきたように思われます。近年では、珍しい肉を食べられるだけでは満足できない層もおり、店側もさまざまなイベントを行って集客をしています。例えば、キャンプが流行しているときであれば、キャンプ飯を上手くアレンジした内容などです。イベントはメニュー数の増加にもつながるので、お客様にはメリットが多いといえるでしょう。
東京の焼肉店では、常に流行から取り残されないようにしています。情報を仕入れながら、上手くお客様に喜ばれるような内容にしているとのこと。この他には、海外旅行に行った気分になるようなコラボ企画も行われています。韓国とのコラボはさまざまな東京の焼肉店が実施しており、若い女性を中心に多数のお客様が利用、リピートしています。その結果、レギュラーメニューに韓国焼肉を彷彿させるような内容が付け加えられた店もあったくらいです。最終的には、おいしければお客様は増えますし、口コミで人気はますます広がっていくものです。
この他に、記念日やお祝いで東京の焼肉が選ばれている理由に後片付けが挙げられます。自宅で焼肉をする方もいますが、それらの方々も片付けは少々面倒だと思っているはずです。なぜなら、肉の脂が飛んだり、使う食器の数も多くなってしまうので当然のことです。室内の場合は家具やインテリアににおいが付くかもしれませんし、床がべたつくなど後の掃除が大変だからです。掃除を面倒といってスルーしていると、いつまでもにおいが立ち込めたり、ベタベタした床を気にしながら生活することになってしまいます。戸建ての方であれば、庭先でバーベキューを行うケースもありますが、最近ではこのバーベキューも自由に行いにくくなっていると聞きます。
せっかく、戸建てに住んでいるのに、バーベキューのにおいや賑やかな声にクレームを付ける隣人がいるからだそう。本当に騒音になりそうなくらいうるさいか、においがそこまで流れてくるのかはさておき、暮らしにくくなったのは間違いありません。就寝の時間帯までうるさくしていれば話は別ですが、常識の範囲内であっても近所の目を考えて庭先では遠慮する方も増えているようです。そのような方は、元々焼肉が好きであるため、バーベキューができなくなるからといって、焼肉そのものをしないという選択肢は取りません。では、どうするのかといえば、外食をするのです。東京での焼肉が選ばれているのは記念日やお祝い以外に時代背景も影響して選ばれています。"
